東京スクール・オブ・オステオパシー 第2期募集要項

創設の背景:ジェームス・ジェラスD.O.の哲学を受け継ぐ臨床家たち
東京スクール・オブ・オステオパシー(TSO)の設立は、共通の師から受け継いだ一つの使命に基づいています。
その師とは、バイオダイナミクス・オステオパシーの教育体系を確立したジェームス・ジェラスD.O.です。
TSOの校長ステファン・キッセルD.O.と、日本事務局長である萩原啓一M.Ost.は、共にジェームス・ジェラスD.O.のもとで長年にわたり直接指導を受け、その深遠な哲学と実践の正統な継承者です。
世界的なセミナーで共に学び、臨床家として互いを高め合ってきた講師陣が共有するビジョンは、ジェラスD.O.から受け継いだ「生命そのものに耳を傾ける」というオステオパシーの神髄を、ここ日本で、途切れることなく次世代へと伝えていくこと。TSOは、その揺るぎない決意の結晶です。

生命に耳を傾ける。それは、オステオパシーの原点であり、未来です。
私たちの身体の内には、自らを修正し、治癒へと導く深遠な知性が働いているのでしょうか。健康を維持し、回復させるための、生命そのものに本来備わったメカニズムが存在するのでしょうか。そして、施術者である私たちは、自らの意思を押し付けるのではなく、その内在する叡智に耳を傾け、協調する方法をいかにして学ぶことができるのでしょうか。
これらの問いは、東京スクール・オブ・オステオパシー(TSO)における教育の根幹をなすものです。私たちは、単なる手技の習得を超え、生命の自己治癒メカニズム—オステオパシーの世界で「プライマリー・レスピレーション(第一次呼吸)」として知られる力—を深く理解し、それと協働できる施術者の育成を目指します。
ここで学ぶのは、症状を追いかける対症療法ではなく、苦痛の原因を深く探求し、患者の中に存在する「健康」そのものを活性化させるという、オステオパシーの原初の哲学です。

TSOの哲学:真正なオステオパシーの継承
途切れることのない系譜
東京スクール・オブ・オステオパシー(TSO)の教育理念は、オステオパシーの創始者であるアンドリュー・テイラー・スティル医師(M.D., D.O.)に始まり、ウィリアム・G・サザーランド医師(D.O.)、そしてジェームス・ジェラス医師(D.O.)へと受け継がれてきた、伝統的オステオパシーの正統な系譜に深く根差しています。
TSOは、この貴重な知的遺産を保存し、次世代に継承する日本の拠点としての役割を担っています。私たちの教育は、単なる知識の伝達ではなく、オステオパシーの魂とも言うべき原理原則を尊重し、育むことを使命としています。
バイオダイナミクスを理解する:生命の動態の科学
TSOのカリキュラムの中核をなす「バイオダイナミクス・オステオパシー」は、決して新しい発明ではありません。それは、初期のオステオパスたちが直感的に実践していたことを、ジェームス・ジェラス医師が教育可能な形に体系化したものです。このアプローチは、解剖学や生理学に基づいた生体機械論的な視点(バイオメカニクス)を包含しつつ、より根源的な生命の働きそのものに焦点を当てます。
専門家として、私たちは以下の重要な概念を学術的な厳密さをもって探求します。
- プライマリー・レスピレーション(第一次呼吸): 身体に内在する自己治癒・自己調整メカニズムであり、「内なる医師」とも呼ばれる、生命活動の根源的な力です。
- タイド(The Tide): プライマリー・レスピレーションが体液を通して発現する、触知可能なリズムです。バイオダイナミクス・モデルにおいて、これは診断と治療の主要な情報源となります。
- ダイナミック・スティルネス(動的な静寂): 施術中に到達する深い静寂の状態であり、身体システムが再組織化され、最も深い治癒のポテンシャルにアクセスする治療的な空間です。
TSOの統合カリキュラムは、バイオメカニクス、ファンクショナル、そしてバイオダイナミクスという複数のアプローチを統合的に学ぶことで、表層的な問題解決から生命の根源的な治癒力への働きかけまで、包括的な視点を持つ施術者を育成します。
校長からのメッセージ:実践におけるグローバルスタンダードへのコミットメント
ステファン・キッセル D.O.(校長)紹介

ステファン・キッセルD.O.は、バイオダイナミクス・オステオパシーの教育体系を確立したジェームス・ジェラスD.O.のもとで長年にわたり直接指導を受け、その哲学と実践の正統な継承者の一人です。彼の豊富な臨床経験と世界各国での指導実績は、国際的なオステオパシー界で高く評価されています。また、ドミニカ共和国において無料の小児オステオパシークリニックを設立・運営するなど、その活動は人道的貢献にも及んでいます。彼の存在は、TSOが伝統の継承と、世界水準の医学教育へのコミットメントを両立していることの証です。
校長メッセージ
「東京スクール・オブ・オステオパシー第2期生の募集を開始するにあたり、私たちのビジョンを共有できることを大変嬉しく思います。TSOは、世界保健機関(WHO)が定めるオステオパシーの研修基準を完全に満たす、日本における教育機関として設立されました。私たちの目標は、日本の学生が国際的に認められた最高水準のオステオパシー教育を受け、世界中の大学院レベルの研究や臨床に進むための確固たる基盤を築くことです。TSOでは、精緻な解剖学・生理学の知識に加え、生命そのものに対する深い知覚的認識力を養うことを重視します。これは、真に効果的で安全な施術を行うために不可欠な能力です。この深遠な学問の旅路において、皆さんをグローバルなコミュニティの一員としてお迎えできることを心から楽しみにしています。」
— ステファン・キッセル D.O.
TSOカリキュラム:職業的実践のための妥協なき基準
国際的ベンチマークへの準拠
東京スクール・オブ・オステオパシーのカリキュラムは、世界保健機関(WHO)が定める「オステオパシー研修に関するベンチマーク(Benchmarks for Training in Osteopathy)」に完全準拠して設計されています。これは、私たちの教育が国際的な品質基準を満たし、卒業生が将来の患者に対して安全かつ質の高いケアを提供できる能力を保証することを意味します。
熟達への8年間の統合的パスウェイ
8年制のパートタイム制は、専門職に従事する方々が現在のキャリアを継続しながら、WHO基準が要求する広範かつ深い学習内容を妥協なく修了できるよう、意図的に設計されたものです。この期間を通じて、学生はバイオメカニカル、ファンクショナル、バイオダイナミクスというオステオパシーの主要なアプローチを段階的かつ統合的に学び、包括的な臨床能力を培います。
TSOカリキュラム・パスウェイ
| 特徴 | タイプI パスウェイ | タイプII パスウェイ |
| 対象者 | 医療関連の国家資格を保有しない個人 | 医療関連の国家資格保有者(医師、看護師、理学療法士、柔道整復師など) |
| 総プログラム期間 | 8年間(パートタイム) | 8年間(パートタイム) |
| 総履修時間 | 4,200時間 | 2,200時間 |
| スーパーバイザー付き臨床実習 | 最低1,000時間 | 最低200時間 |
| 主要カリキュラム | 基礎医学、オステオパシー原理と実践、バイオメカニカル、ファンクショナル、バイオダイナミクス・オステオパシー | オステオパシー原理と実践、バイオメカニカル、ファンクショナル、バイオダイナミクス・オステオパシー(基礎医学は免除対象となる場合がある) |
*出典: *TSOカリキュラム:https://tso.ac/curriculum/
学習モダリティ:オンラインと対面指導の統合
TSOでは、学習効果を最大化するため、ハイブリッド型の教育モデルを採用しています。基礎理論や講義はオンラインで提供され、時間や場所の制約を受けずに学習を進めることが可能です。一方で、触診技術の発達、手技の習得、臨床トレーニングといった実践的なスキルは、集中的な対面セミナーを通じて、講師から直接指導を受けます。
国内外の講師陣:専門知識の融合
オステオパシーを牽引する国際的リーダー
TSOの主要なオステオパシー講義は、世界的に認められた専門家によって行われます。彼らの深い知識と経験は、学生に本物の教育を提供します。
- ステファン・キッセル D.O.(校長): バイオダイナミクス・オステオパシー
- ドナルド・V・ハンキンソン D.O.: オステオパシー哲学
- デボラ・ヒース D.O.: オステオパシー視点からの生理学 パートI
- エリザベス・キャロン D.O.: オステオパシー解剖学
- フランソワーズ・デゾジエ D.O.(哲学部門ディレクター): Dr.サザーランド
- オリーン・アダムス D.O.: バイオダイナミクス・オステオパシー フェーズI-IX
- ジョン・マーシャル M.Ost.: バイオメカニカル・オステオパシー
基礎科学・臨床科学を担う日本の専門家
TSOの教育が日本の医療環境において確かな信頼性を持つために、国内の著名な専門家が基礎科学および臨床分野の指導にあたります。これにより、国際的なオステオパシーの知見と、日本の医学的基盤との間に強固な橋渡しがなされます。
- 萩原 啓一 M.Ost.(事務局長): バイオメカニカル・オステオパシー、バイオメカニカル復習会、クリニック
- 萩原 晋二 M.D.: 内科学
- 土井 武志: 基礎解剖学
熟達への道:TSOでのあなたの旅
臨床経験に基づく学習アプローチ
TSOの学習環境は、少人数制の対面セミナー、ZOOMセミナー、臨床経験豊かな講師との直接的な指導を特徴としています。
臨床トレーニング:観察から実践へ
カリキュラムの礎となるのが、スーパーバイザーの指導下で行われる臨床実習です(タイプIは1,000時間、タイプIIは200時間)。この実習を通じて、理論的知識を実践的な臨床能力へと昇華させます。
プロセスは、経験豊富な施術者の臨床見学から始まり、学生クリニックでの指導付き実践へと進み、最終的には指導者の監督下で自立した施術を行える能力を育成します。
小児オステオパシー・クリニックなどの専門的な臨床機会も提供され、高度な実践能力を養います。
グローバルコミュニティへの参加
TSOを卒業することは、単に学位を取得することだけではありません。
伝統的オステオパシーに献身する施術者の国際的なネットワークに加わることができます。
第2期募集要項(2026年6月開講)
プログラム詳細
- プログラム開始: 2026年6月
- プログラム名: 東京スクール・オブ・オステオパシー 第2期
- 期間: 8年間(パートタイム)
出願資格とプロセス
- タイプI: 医療関連の国家資格を保有しない方。
- タイプII: 医療関連の国家資格を保有する方。
- 出願プロセス:
- 以下のボタンより、入学希望または検討の旨をご連絡ください。
- 担当者より、折り返しご連絡を差し上げます。
- 面接や説明会に関する詳細は、応募者に直接ご案内いたします。
カリキュラム免除について
特定の資格や学歴を持つ方は、一部科目の履修が免除される場合があります。
- 基礎医学科目の免除: 医師、看護師、理学療法士、柔道整復師等の日本の医療国家資格保有者、および指定のオステオパシー学校卒業者は、基礎医学科目の受講が免除されます。ただし、早川先生の発生学など、知識を深めるために推奨される科目もあります。
- バイオメカニカル科目の免除: 指定のオステオパシー学校卒業者、またはMRO(J)保有者は、オステオパシー・バイオメカニカルの授業の受講が免除されます。
ご不明な点がございましたら、事務局までお気軽にお問い合わせください。
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